+++ 母乳研究 +++
免疫ってなに?
お母さんのおなかの中でずっと守られてきた赤ちゃん。
しかし、生まれて外の世界に接すると、お母さんやパパに会えてうれしい反面、ウイルスや細菌に対しては抵抗力がとっても未熟…
でも、お母さんの母乳にはすごいチカラが備わっています。それが免疫成分。
母乳にはこの赤ちゃんを守る成分がいっぱい入っています。60年にわたって続けている母乳研究。
その中でも特に力を注いでいるのが免疫研究です。
母乳のもつ免疫力は
様々な感染症を予防する
免疫ってなに?
まぬがれる
病気
細菌やウイルスなどの病原体や
アレルゲンなどから、体を守る仕組み
母乳には赤ちゃんの未熟な免疫力を補うため、
数多くの免疫成分が含まれます
母乳のとおり道 「消化管」
赤ちゃんが飲んだ母乳は消化管で分解・吸収される
アレルギー物質や病原体も消化管で反応する

消化管が重要
母乳の免疫成分の働き
1. 消化管への付着を防ぐ
2. 消化管のバリア機能を高める
3. 病原体とたたかう力を高める
母乳の免疫成分
消化管への病原体の付着を
防ぐ成分
(シアル酸、ガングリオシド、母乳オリゴ糖)
シアル酸、ガングリオシドの働き
病原体は赤ちゃんの未熟な消化管の粘膜に取り付き、体内に入り込みます。

消化管の粘膜
生まれたばかりの赤ちゃんは消化管が未熟。 病原体などが消化管に付着して体内に入りこんでしまいます。

消化管の粘膜
シアル酸やガングリオシド、免疫グロブリン などの母乳の免疫成分は、病原体に結合し、 消化管に付着させないようにすることで 赤ちゃんを守ります。
消化管とは、栄養を取り入れる器官のこと。
病気やアレルギーなどの予防にもかかわる重要な器官です。
最近ではとくにアレルギー予防との関連が注目されています。
母乳に含まれるオリゴ糖(母乳オリゴ糖)の特徴
母乳中には、100種類以上のオリゴ糖が含まれています。
オリゴ糖の種類 | |||
母乳オリゴ糖 | フラクトオリゴ糖 | ラクチュロース | |
ビフィズス菌 悪玉菌 |
++++ 増えない |
++ ++ |
++ ++ |
+が多いほど、菌が増えていることを表します。
悪玉菌に利用されにくい母乳オリゴ糖は、
赤ちゃんの腸内菌叢を整え、便性に寄与します。
消化管のバリア機能を
高める成分
(リボ核酸、ポリアミン)
アレルギー発症の有無と関連する母乳成分

アレルギーを発症しなかった乳幼児の
母乳中リボ核酸、ポリアミン濃度は高い
リボ核酸、ポリアミンの消化管機能の発達に及ぼす影響
未熟な消化管の状態

未熟な消化管機能
生まれたばかりの赤ちゃんは消化管が未熟です。そのため、食物アレルギーの原因になるアレルゲン(未消化のたんぱく質)が未熟な消化管を透過して体内に入りこんでしまいます。

母乳中の免疫成分のリボ核酸、ポリアミンは未熟な消化管を成熟化させます。
消化管機能の発達

リボ核酸、ポリアミンによって消化管が成熟化することによって、アレルゲンが侵入するのを防ぎます。
病原体とたたかう力を
高める成分
(ヌクレオチド)
ヌクレオチド添加乳がナチュラルキラー(NK)細胞活性に及ぼす影響
- ・自然免疫の主要因子
- ・細胞傷害性リンパ球のひとつ
- ・ウイルス感染細胞の排除に重要
