うんち研究

＋＋＋母乳研究＋＋＋

母乳により近いミルクを開発するため、赤ちゃんうんちを調べることで母乳やミルクが
赤ちゃんの体にどのように取り込まれ、利用されているのかが分かるのでは、と私たちは考えました。

赤ちゃんの発育を調べるためには、
体重や身長、精神や運動機能の発達状態、血液成分、そして尿やうんちなどを調べます。
その中でも、うんちは赤ちゃんに与えられた栄養や赤ちゃんの消化管の情報を
最も的確に表現していると考えます。

うんちを調べると何が分かるの？

うんちの構成成分を調べると

● 乳成分の消化、吸収状態
● 消化管の状態

が分かります。

うんちの性状の観察やうんちの成分を調べることによって、
『母乳やミルクが有する生理機能』や
『消化管を中心とした赤ちゃんの発育状況』を
把握できると考えています。

調査用おむつの開発

うんちのみを集める、つまり尿の混入がなく、うんち全量の回収も大きな課題でした。
このような課題を解決するために、収集用の特別なおむつを作成しました。

このおむつを使ってもらうことで、うんちの調査ができるようになりました。

特徴

● 固形分と水分の全量回収が可能
● 尿との分別が可能
● 重量測定が可能

観察結果

赤ちゃんのうんちの性状は栄養状態によって異なることが分かりました。

このような調査・分析でミルクをより母乳に近づけるよう改良を進めています。

	母乳	ミルク
排便回数（回/日）	3.3	1.2
pH	5.7	6.2
臭い	酸臭	酸臭・大人様臭
形状	水・泥状	泥・粘土状
色 (肉眼的観察)	黄色系	黄・緑色系
色 (色彩計測)	明・赤・黄	暗・緑・青（灰）

母乳栄養児と同様な便性状になる
ミルクの開発・改良に活かしています。

初期の乳児用調製粉乳では、下痢に対する懸念やエネルギー確保の必要性から、母乳に本来含まれていない、ショ糖や可溶性多糖類を添加していました。しかし、私たちはいち早く1970年代にショ糖や可溶性多糖類を配合しない乳児用調製粉乳を開発し、母乳の糖組成に近づけることに成功しました。
乳糖と母乳オリゴ糖のひとつであるガラクトシルラクトースを増強し炭水化物の組成を母乳に近づけました。そのため、ビーンスターク「すこやかM1」は、母乳栄養児の便に近い便性が期待できます。

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